新たな不動産ビジネスとして日本最大級「居抜き物件+開業サポート」ビジネスを創業した大桑氏が事業背景とメリットを語る | フランチャイズビズ


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起業家列伝第13回

起業家列伝第13回社長インタビュー 新たな不動産ビジネスとして日本最大級「居抜き物件+開業サポート」ビジネスを創業した大桑氏が事業背景とメリットを語る。

株式会社M&Aオークション代表取締役大桑一雄氏 店舗そのままオークションWebサイト一覧

お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。まずは御社のビジネスモデルについて簡単にお聞かせください。

大桑社長:
私どもは出店希望者と閉店希望者のマッチングサイト「店舗そのままオークション」を運営しています。居抜き店舗の仲介によって出店・閉店コストを削減いただき、双方にとってメリットのある取引をお手伝いしております。マッチング成約時に成功報酬で手数料を頂いているビジネスモデルです。
さらに現在は居抜き店舗紹介だけでなく、出店オーナー様から内装工事や仕入・会計・集客・採用・フランチャイズ情報など開業時にさまざまなご相談をいただきます。「開業サポート」も重要な仕事のひとつです。

どれくらいの顧客がこのサービスを使っているのでしょうか?

現在では全国約9万7千人を超える方に登録ユーザーとしてご利用頂いております。居抜き紹介に特化した会社では日本最大級で、全国でサービス展開しているのは当サービスだけですね。

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「~新商売で逆境に挑む~不況の中にチャンスを探せ」放映内容

「ガイアの夜明け」など40以上のメディアに取り上げて頂いたこともあって、お陰様でかなり認知も広がってきました。居抜き店舗サービスを活用するユーザー様の業種としては、8割が飲食店など外食産業の方。他には同じように設備など初期投資に金がかかる美容・エステなどのサービス業の方が多い構成です。

とはいえ、まだまだマーケットは大きいと感じています。

飲食店は全国に70万店ほどあると言われていますし、美容サービス業を入れると100万店舗くらい。飲食店だけでも店舗の入れ替わりは年間約10万店とも言われています。それ以外にも、これから独立や開業を考えている方を加えると膨大なマーケットがあると考えています。

確かに店舗業界はみなさん独立思考は強いですよね。また、居抜き仲介以外にもビジネスチャンスが発生しているとか?

例えば飲食店で独立しようと現場で働いている方はたとえ料理のプロであっても、飲食店開業について正しい情報や知識、もしくは最適な業者との繋がりをお持ちとは限りません。脱サラで新しく何か始めようとお考えの方ならなおさらです。

そこで私どもは単に居抜き店舗を紹介するだけでなく、出店に関わる総合支援も行っております。

具体的には、開業者様が出店で苦労されることの多い資金調達に対してのアドバイスや、店舗内装のリフォームに適切なデザイン・価格で提案してくれる内装会社の紹介など、全国でスムーズな出店をいただけるよう開業サポートを行っております。

どのような業種の方がこのビジネスに取り組んでいますか?
またメリットはどんなものがあるのでしょうか?

居抜き紹介というと、不動産業の方ばかりと思われがちではありますが、そうではありません。年間安定した居抜き店舗のマッチングフィーはもちろんですが、さまざまな業種にとって本業への相乗効果が出てきています。

年間安定した仲介と高単価の手数料を得られる不動産業。
内装・リフォームなどの受注に繋げられる建築業。
酒などの卸業や店舗設備関連業も本業の受注強化・サポート機能の強化に。
税理士・司法書士などの士業は創業前の顧客をつかむきっかけに。

面白いのは飲食店など店舗経営が本業の企業様も、今までの経験を活かしてこの居抜きマッチングビジネスに取り組むことが多くなっていることでしょうか。

面白いビジネスですね。そもそもこのビジネスを始めようと思われたきっかけはどんなものだったのでしょうか?

私自身も飲食店を経営した経験がありまして、その出店・閉店の実体験がきっかけですね。わたしは和歌山県の勝浦という田舎のほうの出身なのですが、色々なお店を経営する中で、うまくいった店もあれば、逆に業績振るわず閉店したお店もありまして。出店の時、閉店の時、両方で大変な苦労をしたんです。

出店・閉店の苦労とは?

例えば出店の時にはなかなか良い店舗物件が見つからなかったり、いざ物件が見つかっても大手チェーンでもなければ、内装や仕入れなどどこが良い業者なのか分からないしなかなか見つからなかったり。

一方、閉店する時には解体工事や解約までの空家賃が発生するので、多額のコストがかかったんです。お店を出す前は、閉店するだけで大きなコストがかかるなんてことに意識が向いてなかったですね。

そんなときに、誰にもどこにも相談できず困り果てていた、こんな経験があったんです。だからこそ出店の時も閉店の時も総合的に相談できる窓口やサービスがあれば良いなと思いついたのです。

毎年さまざまな業態の流行り廃りはありますが、店舗の入れ替わり自体は無くなるものではありません。その需要・ニーズも大きく顧客からも喜ばれる、また、サポートする側のビジネスチャンスも大きいだろうなと思ったのです。

確かに、店舗の総合支援サービスってあまり聞かないですよね。ニーズがありそうなのに、なぜでしょうか?

たとえば不動産屋さんは不動産仲介のことはプロでも店舗経営のプロではありません。そうなると、店舗開業のアドバイスは難しい。閉店について相談してもどうしても家主さん・ビルオーナーさんの方を向いてご商売をされることが多いので、店舗経営者の味方にはなりづらいケースもあります。

例えば私自身が上手くいかなかった店舗をいざ閉店しようとなった時に、不動産屋さんに「解約する時は物件の現状回復をしてくださいね。」と言われ、撤退コストの見積もり計算をしたのです。そこで、青ざめました。

飲食店の閉店はどれくらいコストがかかるものなんでしょうか?

どんなに小さいお店でも100万円ほど。ちょっと大きな店舗だと300万円、下手すればそれよりも遥かに高い撤退費用がかかることも珍しくありません。

家主さんに借りていた賃貸店舗を返すわけですから、内装や厨房など自分が作り込んだ店舗を元通りにして返さなければいけない。いわゆる、がらんどうで何もないコンクリート打ちっ放しの「スケルトン」状態に戻してから返すのですが、かなりの解体工事費用がかかります。

また、閉店後もすぐに解約できるわけではないので、撤退までの期間に発生する空家賃も痛いですね・・・。

閉店コストは大きいですね。だからこそ居抜き店舗取り引きがここまで活性化してきたんでしょうか?

そうですね、そこでその店舗を壊さず、そのまま「居抜き」として次の出店者様に引き取ってもらうのは双方にとって非常に価値があることだと考えております。

居抜き物件というと「誰かが失敗した店」「夜逃げ物件」などと悪いイメージもあった時代もありました。しかし近年は初期投資コストが抑えられて、その分お客に満足いただけるメニューやサービスを提供できます。非常に利益率も高く、投資回収も早く済む、そんな店舗経営には居抜き活用が当たり前になってきましたね。

ユーザーの増加スピードが衰えるどころかスピードアップしている当サービスの状況を見ても、まだまだこの市場は拡大していくと思います。

なるほど。一般的な不動産屋が居抜き物件を紹介することとの違い・差別化された要素などはあるのでしょうか?

実は一般の不動産屋さんが紹介する居抜き物件との差別化ポイントは、大きく2つあります。

詳しくはここではお伝えできませんが、ひとつは出回っていない物件情報を掴む仕組みがあるということ。二つめは成約率を大きく上げるノウハウ・ツールを持っているということですね。どれもマネすることは難しい、当サービスの差別化につながっています。

これらの仕掛け・ノウハウはウェブサイトなど見ても分からないようにしています。

それはぜひとも欲しい情報ですね。

とにかく私たちは飲食業やサービス業の経営者様のために、物件・仕入れ・内装・資金・販促・会計など、店舗に関するあらゆる情報を集めたポータルサービスになるのが目標です。そこにアクセスすれば、店舗運営に関わるさまざまな情報が手に入るというサービスにしたいのです。

弊社の提供するサービスを通じて、企業家である店舗に関わる皆様に最適な事業機会を手にして頂くこと、それが私達の使命である、と考えています。

このビジネスに取り組むには、どれくらいのコストや人手がかかりますか?店舗を構える必要はあるのでしょうか?

わたしどもはこのビジネスを無店舗型で展開しています。今ある事務所や店舗・自宅などの拠点があれば問題なく、なるべく低投資・低リスクで事業を展開いただいています。

人員に関しても、ひとりからでも立ち上げできるビジネスモデルになっています。

このビジネスの初期投資コストに関しては、100〜200万円強ほどですが、お取り組みいただく地域によって導入コストに差があります。東京のような首都圏と地方都市ではマーケットの大きさも違いますしね。

大きな投資をかけないのは良いですね。最後に、御覧頂いている方にメッセージをお願いします。

弊社ではこの出店者・閉店者のマッチング、および開業の総合支援サービスである「店舗そのままオークション」のパートナー様(※システム導入店)を募集しています。

幸い全国でパートナー企業様は増え続け現在では70社を超える企業様にお取り組み頂いております。

まことに手前味噌ながら、地域活性化や創業支援などに役立てる、やりがいのあるビジネスだと考えておりますし、出店閉店の総合支援のニーズはますます増加していくと考えております。

また、地域によってはすでに既存の企業様がいるなど、お取り組み頂けない地域もございますのでご了承いただければ幸いです。

少し特殊なビジネスですのでこのインタビューでは伝わりにくいところもあるかと思います、ご関心いただける方はまずはお気軽にお問合せください。

大桑社長、本日はありがとうございました。

プロフィール

店舗そのままオークションロゴ
店舗そのままオークション
の詳細はこちら


株式会社M&Aオークション
大桑 一雄 氏


東証一部上場の経営コンサルティング会社にて、外食M&A業務に携わる。
自らの飲食店経営経験から、全国の中小外食企業を支援する為、2005年、株式会社M&Aオークションを設立。
会社設立と同時に立ち上げた「店舗そのままオークション」は日本全国の店舗売却希望者と店舗買収希望者をマッチングするサービスとして、現在、約9万7千を超える利用者が登録しその数は毎年増え続けている。
現在は居抜き店舗の取り扱いだけではなく、資金調達・販売促進・会計・人材育成など店舗経営に必要な情報を扱うポータルサービスへと成長している。


企業データ
会社名株式会社M&Aオークション
本社所在地〒170-0013
東京都豊島区東池袋4-25-12池袋今泉ビル8F
設立年月日2005年9月30日
事業内容 1. 『店舗そのままオークション』の運営
2. 店舗売却コンサルティング
3. 出店コンサルティング