起業家列伝7回 - FLコスト40%以下、営業利益40%という今日の居酒屋業態が!漁港直送 炭火・わら焼 『うみびや』を生み出した、創業者久保田彰氏の創業の原点を探る | フランチャイズビズ | 加盟募集の比較・独立開業・新規事業探し



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起業家列伝7回

起業家列伝第7回社長インタビュー 漁港直送炭火・わら焼き「うみびや」創業者久保田彰氏 外食産業を取り巻く厳しい市況の中、大阪府寝屋川市の路地裏に、FLコスト40%以下、営業利益40%という今日の居酒屋業態が!漁港直送炭火・わら焼き「うみびや」を生み出した、創業者久保田彰氏の創業の原点を探る

在学中から某飲食店舗で働き、現在12店舗を展開する有名鉄板焼チェーンの業態開発に携わる。独立後は、学習塾・ペットショップの経営、結婚式場などのイベント運営、中国貿易事業などを次々に成功に導き、飲食業界に参入。様々な人脈と経験を活かし漁港直送居酒屋業態を開発しライセンス展開をする久保田彰氏に、着想の原点について伺った。

漁港直送うみびや炭火・わら焼

はじめに

本日はお忙しい中、お時間をいただきましてありがとうございます。今日は、大きく3点についてお伺いしたいと思います。まずは、創業の経緯について、次に創業前後の苦労話について、そして最後に、今後の展開についてです。

うみびや 香里園本店外観
うみびや 香里園本店

ご縁が仕事に

業態開発の経緯を教えてください。

久保田社長:
 学生時代から、飲食店のプロデュースを少しずつやっていまして、とあるチェーン店の立ち上げに携わったのです。 うみびやを立ち上げる際には、その時の立ち上げたチェーン店の右腕だった人間が独立したいというので、そのタイミングで立ち上げ上げました。
 まともな業態でやっても勝負できないので、たまたま彼の出身地である高知の人脈等を活用して、うみびやの基礎を作りました。それが一番最初ですね。

漁師居酒屋というコンセプトですね。

 そういった経緯とご縁があって、高知の漁港とのコネクションが出来たのです。通常の流通ルートで魚を仕入れると値段がバーンと跳ね上がってしまうので、漁港直送にしてしまおうと。
 ここから2年くらいかけて漁師さんと直接話をして提携を取り付ける、ということをしてきました。 今19漁船の漁師さんとダイレクトルートを構築しました。

学生時代ということでしたが、アルバイトをされていたんですか?

 アルバイトではないのです。知り合いの方のブランドの立ち上げの時に、たまたま、物件を探してきてくれと頼まれたので、探してきたら、その物件が大当たりしまして、「これからもよろしく頼む。」ということになったのです(笑)。

卒業後は何をやってらっしゃったんですか?

 卒業後は、1年間そのブランドの立ち上げを手伝いまして、その後、独立しました。
 個人で店舗プロデュースをはじめまして、大手寿司チェーン店などの西日本の店舗開発を委託され成功報酬でやってきました。

それが今の会社ですか?

 いや、その前身の個人事業主時代です。税金の関係で2年後に法人化しただけなのですが(笑)。
 今では人材教育や物販・飲食業などの店舗開発をやっています。ただ、僕は料理ができないので、メニュー開発はできないのです。

誰でも出来るを仕組みに

漁港直送のコンセプトはどこから来たのですか?

 任せている人間が高知出身であったことが一番ですが、単純に漁港直送の方が安くて新鮮だということです。 大阪では、魚が水揚げされてから店頭に上がるまで通常3日はかかるのですが、うみびやの場合は、朝水揚げされれば夕方には店舗に届き、夜お客様へ提供できます。
 夜出船するものに関しては朝に配送になりますので、とにかく早いのです。
 僕はもともと食音痴で、舌がB級なので、魚の旨さとかわからないんですよ(笑)。
 でも新鮮な魚を食べたときに、普段食べていたのと全然違うな、ということはわかった。それでこれなら行けるなと。

飲食業には元々それほど興味があったわけではないんですね。

 飲食業が、というよりは仕組化が好きなんですね。うみびやも仕組化に2年かかりました。

業態開発で気を付けていることはなんですか?

 ほとんど手を加えないということです。こねくり回してもいいことはありません。刺身もぶつ切りでどんと出して、浜焼きがあって、料理人の腕に左右ず誰でも出来るものを作りたかった。
 うみびやで出すメニューであれば素人でも3週間もあれば魚がさばけるようになります。

流通のライセンス

ライセンスという形式ですね。

 うみびやの権利を持ったお店だけが、うみびやネットワークから食材を仕入れられる流通の仕組みを構築しています。
 ID、パスワードを入力すれば、その日水揚げされた魚介類が表示されまして、この魚はこういう風に調理したら美味しいですよ、とう、レシピ付きのシステムが2011年の春から稼動しています。

うみびや加盟店だけ特別価格で食材が仕入れられる、そういう仕組なんですね。

 そうです。毎日メニューが変わるんですね。自分で調理できるのであれば、それに見合った食材をチョイスしてもらって。お店ごとにも異なっていて。漁師さんも市場の卸価格よりは粗利高く販売できて。レシピもアップされて。
 そうすると店舗を回って料理を教えるということもしなくて済みますので。
 一番やっかいなのは、漁師さんにパソコンやインターネットを教えに行かないといけないことです(笑)。

漁船をIT化する仕事

漁師さんは調達した魚を自分でシステムにアップしないといけないですからね。

 そうなんです。ITが普及していないところに、ITを普及させる仕事なんです(笑)。

四国といえば徳島の上勝町の葉っぱビジネスを思い浮かべますね。

 おじいちゃんおばあちゃんにITを普及させて、料理のつまものを売ってる会社ですね。そういうシステムにしようと。

なるほど。こういう考え方はすごく面白いですね。

 今、漁師さんが19人いるんですが、対応しきれなくて(笑)。ITヘルプセンターと化してますから、夜の2時3時に電話が掛かってきて、しかもみんな地方で方言がきつい。寝ぼけてる状態ですからどの電話が誰で何言ってるかわからない(笑)。

店内の様子
大漁旗で活気ある店内

ソリューションを提示する

漁師さんとそこまでのコネクションが作れたことが凄いですね。

 どこにも漁業組合というのがありまして、そこが漁港の漁師さんを仕切っていますから、そこを口説いてしまうのです。

閉鎖的なイメージですが、話は聞いてもらえるものなんですか?

 結局、何かヤラねばならないという状況はどこも一緒なんです。彼らには新しい販売ルートを構築する営業力があるわけではないですから。
 そして時間は比較的持て余している。お互いのニーズがマッチしただけですね。
 漁港も様変わりしていまして、世代交代というより、都会から新規就業の漁師さんが増えてきているんですね。
そういう人達は頭も柔らかくて話も早いので、できるんです。漁師さんたちは、元々インターネットで販売したい、という思いはあるんですが、でもどうやってやればいいのかがわからないし、面倒くさい。
 こちらはそのノウハウを持っていますから、「じゃぁ、やってくれと。」

ニーズがマッチしたんですね。農家さんも一緒ですか?

 農家はまだ高知の農家だけですが、魚と同じように、収穫した野菜類をシステムにアップして注文を受けるという仕組みをつくりました。

オリジナリティを追求

どこの店舗も仕入れ先が悩みの種ですから、そこを仕組み化できているというのはすごく良いですね。

 飲食業界は熾烈な競争にさらされていますが、その中でも生き残っていくためには、やはりオリジナリティが大切だと思います。
  フランチャイズにしてブランドを掲げるのもいいでしょうが、飽きられたら廃れるしかないでしょ。
  うみびやは、仕組みライセンスなので看板も自由です。そうじゃないと面白くないでしょう。
  味の統一って難しいですし、逆に味が違うのが個性であって。値付けも自由です。
  通常、飲食店さんがなかなかできないところの、仕組み作りをしてあげたと。

2年間かけて漁港を周り、漁師さんをIT化していった苦労を購入する感覚ですね。

 そこに価値を感じていただけて、買っていただけると嬉しいのですが、そこの仕組みだけ安く売ってくれと言われる場合もあります(笑)。

それはフェアじゃないですね(笑)

 やっぱり苦労して構築した仕組みですから、安売りはしたくないですよね。

名物かつおのわら焼き
名物かつおのわら焼き

豪快にぶつ切り

活魚を使用するとなると、職人を育成しないといけないイメージがありますが。

 みなさんそういうんですが、全くそんなことはありません。多少調理経験のある方であれば、長くても一ヶ月くらいで大体のことは出来るようになるでしょう。
 コンセプトは漁師料理ですから。豪快にぶつ切りです(笑)。

職人技が必ずしも売れる時代ではないですからね。

 良いものが安価に仕入れられる、ということが大前提でやっていきたいですよね。職人技は仕組みにはならないのです。
 職人技を省く代わりに、手をなるべくかけずに旨いものを提供するには、食材にこだわるしかないでしょう。
 大阪の店舗なんて場所は最悪ですが大繁盛しているのです。店前の人通りなんてまったくない(笑)。
 もともと有名焼き鳥チェーンの撤退した居抜きです。チェーン店が駄目だったところで大繁盛です。

そうなると東京にもそろそろ欲しいですね。魚も野菜も東京には本当に安くて美味しい物は少ないと言われています。

 築地が、プレミアムブランドの寄せ集めになってしまっていますからね。高くて美味しい物はあるけれど、安くて本当に美味しいものは、現地でないと調達できない。

安く旨い魚が食える店

そうなのです。だから生産者や漁師さんとダイレクトに繋がりたいというニーズが出てきているのです。積極的には加盟開発は進めないとの方針ですが。

 フランチャイズではないので、しっかり自分でやる人じゃないとできませんよね。本気でやる人がいるのなら、我々の仕組みで応援しますよ、という感じです。
 うみびやは、お酒が出れば客単価3500円の居酒屋モデルです。他と違うのは、リピート率が高いということです。週一で来る常連さんが多い。
 これは住居立地だからというのもありますが、定番のかつおのたたきはおいておいて、その他のメニューは仕入れるものによってバリエーションが豊富なので飽きないのだと思います。
 本当は女性に来てもらいたいという狙いでメニューを作っているのですが、実際はほとんどが男性です(笑)。

かつおは定番なんですね

 かつおは毎日届きます。その他は旬の魚をチョイスという感じです。ズワイガニなんかも、漁師直仕入れだと100円くらいで仕入れられますからね(笑)。

安く旨い魚が食える店、という感じですね。鮮魚を扱っておられるのでやはりロスが気になりますが。

 ロスはほとんどないんです。余った魚は漁師のアラ汁になりますから、最終的に捨てるのは骨だけです。
 店舗で小分け発注できますし、漁師さんに頼んで半身に加工した上で送ってもらうこともできます。
 これで人件費、食材原価合わせて40%以下です。利益率も大体40%。
 仕入れに関しても南は鹿児島から、北は北海道まで、全国19ヶ所から調達できますから、基本的に天候や気候にあまり影響受けないのです。
 カツオも季節によってどんどん北上していきますから、ちょうど上がって来た漁港で仕入れるようにすれば年間を通して安く安定して仕入れられます。

言葉の壁

なるほど。聞けば聞くほど素晴らしい仕組みですね。

 漁師から直仕入れというのは、基本的に誰もが考える事だと思うんですよ。ただ、漁港を一箇所一箇所廻って、門前払いされてもめげずに通いつめて、信頼関係を構築して、しかも、ITを導入して仕組化する、ということはそうそう出来ません。
 しつこい奴だと思われながら毎日顔出して、勝手に漁船乗り込んで漁につれてってもらったり(笑)。
 2年間そんなことばかりやってましたからね(笑)

漁師さんと関係構築をするうえで一番苦労したことはありますか?

 これはもう言葉ですね。青森とか何しゃべっているかわからない(笑)。
 こんな大変なことをやってたお陰か、大手スーパーのバイヤーから、是非とも仕入れの勉強をさせてくれ、という話もありました。

原価率30%時代の終焉

今度名古屋に加盟店がオープンするのだとか。

 名古屋の方は、完全ど素人で新規開業なのです。論理的には、原価20%で利益率40%のビジネスモデルで、お店では別に大した事をやっているわけではないので、ど素人でもやる気があれば出来ちゃうのです。
 飲食店の原価30%という時代はもう終わっているのじゃないかなと。何十年も前の目安を当てはめて今やっていたら、値下げ競争に巻き込まれて、今や原価率40%、50%当たり前になっちゃってるじゃないですか。これはもう商売としては破綻していますよね

鮮魚を扱っている業態は原価率が高い、という認識がありましたが。

 鮮魚の流通は中間マージンがあちこちで上乗せされるので、一般的にはそうかも知れませんが、うみびやの場合、漁船ダイレクトで全国から仕入できますから、変動もそんなにありません。漁師も競争する仕組みになっていますから、品質良く安くが実現できました。
 農産物には、農家の顔が見える、というのが当たり前になってきていますが、漁師にはそれがないじゃないですか。それを出来るようにしたいなと。

漁港活性ビジネス!?

今後、業態をブラッシュアップさせるとしたらどういう方向で考えていますか?

 メニューのバリエーションをもっと増やしていこうと思います。

どんな人と一緒にやっていきたいですか。

 自分の意思、思いがちゃんとある人ですね。自分はこうしたい、こういう風にやっていきたい、そういう人じゃないと、うちの仕組みではできないですよ。フランチャイズではありませんから。スーパバイザーもいるわけじゃないですし。

ロイヤリティというよりはシステム使用料的な意味合いですね。

 そういうニュアンスにしたいなと思っています。なので、既成概念にとらわれやすい方や、FCの仕組みにおんぶに抱っこで、加盟すれば儲かるだろうと思い込んでいる人にはご遠慮いただきたいですね。

なるほど、フランチャイズではなくライセンスにした理由はなんですか?

 元々ビジネスの着想が、飲食店ビジネスではなく、漁港を盛り上げよう、というビジネスモデルなのです。
 そこの出口戦略に、うみびやが浮かび上がってきているだけなんです。
 とはいえ、この仕組を利用していただける、加盟店が増え、取引先が増えていくことで漁師さんも漁港も活性化していきますから。そういう意味でうみびやは漁港活性ビジネスなんです。

最後に、久保田社長個人のミッションをお聞かせください。

 地方活性化ですね。地域貢献という言葉は綺麗すぎて嫌いなのですが、仕入れ先が元気であって、かつ我々のファンでないと、良い食材は調達できないですからね。
 本当に美味しい食材を安価にスピーディにフレッシュな状態で提供できる仕組作りを通し、漁港から日本を元気にしていきたいなと。

なるほど。うみびやを通して地域を活性化し、日本を元気にしていきたい、ということですね。
 本日は、漁港直送炭火・わら焼き「うみびや」創業者久保田彰氏にお話しをいただきました。久保田さん、お忙しい中お時間を頂戴し、また、貴重なお話を頂戴しましてありがとうございました。

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プロフィール

漁港直送うみびやロゴ
漁港直送 うみびや
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自分でやるから面白い!思いをカタチに!うみびやはそんなオーナー様の思いを叶えます。

漁港直送炭火・わら焼き「うみびや」
創業者 久保田 彰 (くぼた あきら) 氏


1981年生まれ。在学中から某飲食店舗で働き、現在12店舗を展開する有名鉄板焼チェーンの業態開発に携わる。独立後は、学習塾・ペットショップの経営、結婚式場などのイベント運営、中国貿易事業などを次々に成功に導き、飲食業界に参入。過去のデータや考え方・ノウハウを踏襲した結果、「うみびや」の構想を思いつく。無事にOPENした後も、仕入れコストの更なる低減、メニュー数の増加、漁港の拡大など、様々な取組み・改善をおこない、現在に至る。


企業データ
会社名株式会社しあわせ工房
本社所在地大阪府寝屋川市香里新町9-4-604
設立年月日2008年
事業内容飲食店プロデュース
所有ブランド うみびや
http://umibiya.com/